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写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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映画紹介「くそガキの告白」 鈴木太一監督

ホント、いい映画っす。上映館が東京ではテアトル新宿だけで、しかもレイトショーのみ。ただ、ホントにいい映画っす。

少し映画の内容と外れた話になるけど、大体TUTAYAで置いてもらえるぐらいの映画を撮っている監督で、映画の仕事を3、4ヶ月してそれで大体、社会人の初任給と同じぐらいの収入って言ってた。日本映画監督協会だったと思うけど、結構なのしれた映画監督が連なっているが、平均年収は200万って話も。それぐらい映画監督という職業はなりたたない。写真家や他の○○家という仕事の人達もにたようなものだと思うが。
映画の場合は上映が始まって好評だと色んな所に舞台挨拶など広報活動が出てきて、まともにバイトも出来ない。
この映画の鈴木監督は毎日テアトル新宿の前で映画のチラシを手配りしていた。園子温ですら「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ヒミズ」を家賃三部作と言ってるぐらいきちんと映画を作っている人にとって、映画産業は厳しい。

この映画も若手の映画監督に紹介され観に行った。
雑な部分も少しあるけど、そんなの完全に忘れてしまう程、最後20分ぐらいは主人公の馬場大輔(私も名前が大輔です。)に感情移入し、「大ちゃん、頑張れ!!」心の中でずっと応援してしまった。
作りもすごいテンポがよく、キャラクターの出し方もすごく良かった。例えば、主人公が恋をする木下と肉じゃがを家で食べるシーンで、木下が鍋ごともってきて、皿もなく鍋から直接箸で食べる所とか、そのシーンだけで木下がちょっと変わった女性とすぐにわかる。

最後の長回しがとにかくいい。すごい上がった!!
SRサイタマノラッパーが人間の成長を描く青春映画とすると、このくそガキの告白は恋愛と成長の両方描いている映画だと思う。

とにかく、私に撮っての今年のベストはおそらく塚本晋也の「KOTOKO」だと思うけど、万人にお勧めするデートにもってこいの映画はこの「くそガキの告白」っす。

お勧めです!!!!!!!!



<追記>
Facebookで盛り上がったので、私以外はイニシャルで下記にコメント追記しておきます。

H.N 尾崎さんがこれだけオススメする映画なので、観に行かなきゃと思うんですが、日程的に無理です。。。どこかでまた上映してほしいです。
生活に困りながらもいい映画を作る監督がいる一方で、駄作を作っても(興行的に成功であっても)なおチヤホヤされる監督がいたりすることには、やるせない感じがしますね。

Daisuke Ozaki この映画すっごいみたいんですけど、DVDもおそらくでないし、ヘルタースケルターとかみるとちょっと残念な感じにはなっちゃうっすね。。まぁ、どこの業界もあんまかわんないっすけど。
「今、僕は」 http://www.youtube.com/watch?v=Kzf0sw_b0XA

Daisuke Ozaki この映画監督、私と年が同じで、監督、脚本、主演をやってて処女作なんですよぉ。こういうの見ると才能ってすごいなぁと思うっす。

H.N. たしかに同い年っていうのは意識する時のポイントですね。僕が学生の頃、同い年で七大陸最高峰に当時の最年少で登頂して、意識してしまいました。いまでは、つまらん写真を撮ってる人ですが。(←誰かバレバレ)
七光りの人はアドバンテージがあるからいいんだろうけども、芸術分野でいい仕事をしている人をどうサポートっていうかエンカレッジしてあげられるんでしょうね。。。

Daisuke Ozaki まぁ、芸術に対する助成っていうのも難しい問題っすけど。単にヘルプするのがいい方向に進むかどうかわかんないですし。ただ、宗教のない日本だとむずかしいかもしれないっすね。ヨーロッパとかだと新興宗教の数と芸術への政府の助成金の量とが完全な比例関係っすからねぇ。もともと密接にくっついてるものですし。ちなみに「くそガキの告白」人によってはあんまりって言う人もいるんで、もし見る機会があれば、あんまりハードルずお願いします。昔、僕と吉原さんと須藤さんで僕の生涯ベスト級の映画を鑑賞したんすけど、ふたりとも別にって言ってたんで、人によってまちまちっすからねぇ。

K.I ウチの近くにも映画監督さんいるけど、バイトしてるって言ってたなぁ…

Daisuke Ozaki SRサイタマノラッパーの入江さんのインタビューした時、例えば映画のポスターをするお金がなくて、上映終わった映画館から流用してたって言ってたっす。しがない世の中っす。

H.N. お金持ちで目利きのパトロンとかエンジェルみたいな人がいたり、これから作ろうとする映画の製作資金が集まるしくみが発達すればいいんだろうけども、なかなかそういうふうにならないんでしょうね。

K.I. だから、製作実行委員会方式が多いんだよね。
色んなトコロからお金をかき集めるのはイイけど、プロデューサーの肩書のひとが何人もいたりしてディレクターの思う作品に仕上がらないパターンを多々見かけるよ。

S.W. 観たよ!大学の同級生が出てた!

Daisuke Ozaki Wさん的にはどうでした??

S.W. 雑、というか、結構アドリブとか入っているのかな、と思うシーンが多々あり、脚本のつじつま云々関係なく、力ある作品だと思ったよ。観に行ってよかった。
あと、個人的に他人事じゃないなと…笑。
KOTOKOも観たけど、こっちのほうが好きです。

そういや、地方自治体の芸術助成に関して、音楽家の大友良英さんが興味深いこと言ってたよ。また今度話そう。

S.I 映画だけで喰えてる人はほとんどいないですからね。日本映画そのものが情熱だけで支えられてる。それはある意味良いのですが、許せないのはその情熱を喰いものにして生きている人が多過ぎるって事かも。とまれ、映画を観る事も映画を作る事の1つだと思うので、なるべく観る様にはしているのですが、なかなかその状況も悪くなっている昨今だと感じております・・

Daisuke Ozaki Wさん→僕はめちゃくちゃよかったんすよねぇ〜。たぶん、最後、大輔、大輔言われて恋しちゃった感じっす。大友さんの話、興味あります。月曜社の編集者の方が大友さんの本も出していて、少し話とかは聞いているので。

Daisuke Ozaki Iさん→今、現状だとテレビのタイアップで撮られたようなドラマの延長上の映画にすごいお客さんはいるっすからねぇ。あれだけ大々的な宣伝攻勢されるとしかたないっすけど。

M.M. こんばんわ! このまえの写真店おうかがいさせていただきました!某さんから、この映画の感想を書いていると聞いてうかがいました。監督と友人なのですが、シェアしてもいいですか?

Daisuke Ozaki マジっすか!!全然シャアして下さい!!しかも、この前の展覧会はありがとうございました!!

M.M. あ、でも、友達じゃなきゃ絶賛コメント見れなさそうですね。(>_<)Facebookわからん。。。
by daisukeozaki | 2012-07-18 21:36 | 映画 | Comments(0)