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写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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映画批評『おおかみこどもの雨と雪』 細田守監督

先日、横浜にて鑑賞。
色んな意見があると思いますが、私は良作だと思います。

たぶん、一番の分かれ道はお母さんのはなのキャラクター設定。
確かに子どもを育てるということは母親にとって最も葛藤を強いることであり、ましてやそれが一般の人と違うオオカミの子どもならなおさらであるというのは分かる。
ただ、私はこの映画を福祉施設の障害者の方達とレクリエーションとして鑑賞しに行った。それで、はなに対して一緒に観に来た方達の母親像を照らし合わせてみてしまった。おおかみこどもではないが、やはりどこかしら一般の子どもと違うところがあり、色々と母親も葛藤を抱えながら、笑顔を絶やさずに育ててくれているのだということを感じてほしいと私は思ってしまったのである。実際、現実問題としてそんな生温いことは100も承知である。例えば、この家の家計はどうなっているんだという疑問もある。障害者の方の日々の作業所での工賃は施設によるが月々の給料はだいたい1万円ぐらい、プラス障害者年金という状況で、前に私がボランティアで写真を撮りに行った施設の人がNHKのドキュメンタリー番組に出ていたが、最低限の生活費を引くと月に自由に使えるお金は500円だけと言っていた。そんな状況でも生活している人はたくさんいるのである。映画などはレクリエーションでしか観に行くことが出来ない人もいるのである。この映画を観て、そういう現実の問題を思い出してほしくなかった。
なので、リアルの部分は市の職員がネグレクトで、家に訪問調査をしにきたシーンぐらいで十分であった。そのシーンで郵便受けの部分に色々な郵便物がつまっていることからも家計に苦労していることは感じた。
基本、私のアニメーション映画を観る時であるが、見終わって楽しかったと思うものであってほしいというのが私のがんぼうなのでこの映画の評価もそれに関連していると思う。今回はレクで観に行ったので、映画の予告編で何の映画の予告が出てくるのかと若干はらはらしていた。
この映画ははなというよりは子どもの成長という普遍的テーマを分かりやすく映画で語っており、そのことに関しては映画を見終わった後、一緒に観た障害を持っているメンバーさんもすこし理解しているようだった。なので、はな自体のキャラクター設定は私はそれほど気にならず、みんなと観に行ってよかった映画だと思いました。
一人で観に行って場合も、観てよかったと思う映画っす。

一応、本当に少しですがベットシーンもあるので、お子さんとご一緒の方は注意して下さい。めちゃくちゃ具体的に描かれているだけではないので、大丈夫とは思いますが。
by daisukeozaki | 2012-08-13 19:45 | 映画 | Comments(0)