写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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「さすらう者たち」 イーユン・リー

現代で一番好きな小説家はと聞かれたら、イーユン・リーと答えると思う。
それぐらいこの作家はすばらしい。
この長編小説も良かった。1点登場人物が多いので、最初少し入りにくいという難点はあるが、初の長編小説でこのレベルならば十分っす。

話はある村の一時代の話。ある女性が紅衛兵として文化大革命の運動に参加していた。文革後は文革自体を避難し、政治犯として囚われ、無実の罪を着せられ、処刑される。旧友の無実罪を知る同級生が幸福な家庭を捨て、抗議運動を起こしていくといった内容。

書きたいことはたくさんあるけど、長くなりそうなので、感想としては問題の大小はあれ、今日本では原発の問題がある。私も反原発派であるが、例えば、現政権は原発維持の立場で、もしこれで大地震が起った場合、今の福島と同じような状況になってしまう地域もでてくるかもしれない。その時、私達は心のどこかで、ざまあみろ、ほら言った通りだと思ってしまう部分はあるのではないだろうか。大変な思いをしている人が多くいるにもかかわらず。

この本の中ではイデオロギーのために生き、人生を翻弄された数多くの人達が登場する。この本の中では上記のような善悪では測りきれない登場人物の心の複雑さがよく描写されている。

この作家の著書はハズレはない!!
最新作短編集の「黄金の少年、エメラルドの少女」も購入済みなので、楽しみに読みます。


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by daisukeozaki | 2013-01-29 19:05 | | Comments(0)