写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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文字の出現

構造主義の原点とも言われるレヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」。
「世界は人間なしで始まったし、人間なしで終わるであろう」と人間中心主義の西洋哲学に警鐘をならしたこの本の中で、(結果、サルトルの実存主義とは対立するような形になる。)私が興味をもったのは文字が生まれることによって世界はどう変わったのかということ。

彼の説では文字の出現によって付随してくる社会現象として、都市と帝国の形成、つまり相当数の個人の一つの政治組織への統合と、それら個人のカーストや階級への位付けである。文字によって人間は隷属性をもってしまったということである。

法律は全て文字を基準にしており、これに私達は所謂“従属”を余儀なくされているわけであり、知的・美的満足としての文字の用途は二次的使用であって、文字は結局のところ人間をどれだけ大多数、効率よく従わせるかを可能にした道具である。

「悲しき熱帯」のなかでの、あるインディオの部族も長老は興味を示し、文字を覚えようとしているのに対して、本能的にそれに習うことに嫌悪感を示す原住民の描写も興味深かった。
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by daisukeozaki | 2011-10-28 21:40 | Comments(0)
「十三人の刺客」でSMAPの吾郎ちゃんがいい演技をしていたので、海老蔵はいかほどかと思って観に行きました。あと、やっぱり三池映画の残虐シーンは映画館で観とかないと思って。

海老蔵の演技は良いという人もいるとは思うけど、やはり歌舞伎役者というのを感じてしまった。立ち振る舞いや格闘シーンでの存在感はさすがとしかいいようがないですが、台詞まわしにやはり歌舞伎役者を感じてしまった。初めのころの役所広司に接見する場面は良しとして、日常生活を送っているシーンでもどうしてもそう感じてしまった。また、海老蔵と満島ひかりちゃんが親子という設定もちょっと難を僕は感じてしまったので、さらに入り込めなかったのかも。
ただ、あーだ、こーだいいながら海老蔵の演技は良かったと思う。テレビがないので、スキャンダルがどれほどのものだったかはしらないけど、勝新太郎みたいに私生活の派手な役者さんはいっぱいいて、後世に色々を語りつがれているのだから、ちょっとはメディアも多めにみてあげても。。。。。話が変わるけど、勝新太郎の麻薬で捕まったときの会見とかすごく面白かったし。

しかし、僕的には吾郎ちゃんに軍配です。

三池監督のインタビューを読んでいて、単純な善悪の二項対立の映画にはしたくなかったと言っていたが、それは僕には十二分に伝わった。結局はどっちが悪い?と単純には言えない映画になっていた。が、悪を打ち出した映画の方が観ていて分かりやすいと監督も言っているが、十三人の刺客のときのように、吾郎ちゃんという絶対悪がいない分、海老蔵がお城に乗り込んで・・・・と、えー、そこまでやらないといけないの?という理由が強烈に打ち出せなかったような気がする。言われれば分かるけど、、、、といった感じ。

江戸時代という太平の時代の武士の微妙な状況を表していると思うし、良い映画ではあると思うけど、鑑賞中の興奮度合いを考えると。「十三人の刺客」の方がお勧めです。
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by daisukeozaki | 2011-10-18 21:39 | 映画 | Comments(0)
新宿で昼間の回で鑑賞したんだけど、ほとんどがこの映画の主人公の砂田知昭さんと同じぐらいの年齢層だった。どんな風に映画を観たのかがすごく気になる。

前回、紹介した「監督失格」とは違った視点で愛する人の死を捉えた作品。
ユーモアのある砂田知昭さんのキャラクターがなければ、絶対に成立しない映画だなぁと感じた。涙腺を刺激するシーンはたくさんあるのに、それ以上にクスッと笑わせてくれるシーンの方が多くあったので、それほど死の悲痛さというのは感じなかった。逆にこういう死に方自分も出来たらなぁと思うほど。

あと、昔の結婚式などが写真ではなく、映像として残っているなど、過去の映像がこれだけ残っているのも砂田家ならではないであろうか。普通の家庭では時代背景を考えると写真がやっとといったところであろう。それだけ経済的にも恵まれている家庭という感じがした。

もうひとつだけ気になったのは、どうして洗礼を受けたのかということかな。まぁ、神に興味がある私だからということもあるけど。

是枝監督の助手をしているという砂田監督は次回作がほんと大変そう。こういう作品は人生で一回しか撮れないことがほとんどだし。河瀬直美の処女作の自分のお父さんを探しにいくドキュメンタリー映画みたいに今後も作品をどんどんと作っていってほしい。映画のナレーションの声が本当に良かった。

ラストの方は案の定、観客のすすり泣きの大合唱だった。
隣に座っていた20代半ばの男性はカップルで来ていたのだが、途中からずっと泣きっぱなしだった。
私はというと、最後の奥さんのシーンにほろろとしてしまった。

一般的に考えれば、死を扱った映画としてお勧めするのは「エンディングノート」の方で、何かもの作りをしている人間がみるとすれば「監督失格」方かな。
どちらもお勧めです。
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by daisukeozaki | 2011-10-11 23:03 | 映画 | Comments(0)
あまりにも周囲から色んな噂が飛び交っていたので、鑑賞しに六本木へ。

林由美香は彼女が現役時代には一度もお世話になったことはなく、ポレポレ東中野のスタッフの方から「あんにょん由美香」を紹介されて観ていたので知っていた。

そこまで林由美香に思い入れのない僕がこの映画を見て思ったのは、良い悪い、好き嫌いの物差しでは測れない映画であるということ。偶然あの場面を映してしまったテープが存在する状態では、平野勝之監督はこの映画を作らないと前には進めず、(映画の中で監督自身もそのように言っている。)人がどのような評価をするにせよ監督自身にとっては絶対に必要な映画である。
誰でもいつかは経験する最愛の人がいなくなるということをパーソナルな視点から徹底的に落とし込んで、何らかの普遍的なものにかすっているような映画。
映画を観てパッと思い浮かんだのは、荒木さんの「センチメンタルな旅・冬の旅」。

今年の観るべき映画のひとつかも。
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by daisukeozaki | 2011-10-05 21:56 | 映画 | Comments(0)