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写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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尾崎的映画批評 『八月のクリスマス』 ホ・ジノ監督

今日は仕事は昼からなので、それまでに映画批評をちょっと。
今回は韓国映画の「八月のクリスマス」。

おかんに勧められていてずっと見ていなかったのをついに鑑賞。
作品の内容の前に韓国映画を見ていて思うのは、日本の映画がんばれよと思ってしまう。というか、おそらく今年の私的鑑賞映画ナンバー1になるであろう「シークレットサンシャイン」に関してもきちんと興行収入の面でも成功を治めている。それだけ一般の人の目というのも日本人に比べて高いのだろう。なんか、助成金に関しても韓国の方が日本に比べ、いろんなジャンルの映画に寛容的にお金を出すらしい。
映画に関してのみ日本よりも韓国の方が土壌が出来上がっている感じがする。

ということで、今回の「八月のクリスマス」。ネタバレせずに批評するのは僕にはできないので、おもいっきりネタバレしていきます。
主人公の男性が写真館を営むカメラマンで、そこに来た女性との恋愛を描いた映画。この男性が実は病気で死が迫っているが、女性には伝えず、物語が進んでいくという設定。
二人の距離感がアジアっぽく結構良かった。途中に出てくるバイクシーンで、監督が意図しているのかわからないが、「ローマの休日」の二人乗りのバイクシーンにそっくりで、それを見た段階でこの二人はおそらく永遠に結ばれないカップルなんだろうなと推測してしまう。

ただ、僕的はあんまり映画に入り込めなかった。その理由は始めに書いた通り、主人公が死に直面している病気なのに全然病人面していないということ。普通ならどんどんやせ細っていくのにそれが全くないので、リアルに死というものが僕には感じられなかった。もちろん要所要所には死を連想させる場面を入れていて、それが観客を引きつけるのであろうが、僕は逆に主人公が元気なのでピンと来ず。
元気ならば元気でその何ヶ月後死にました的なナレーションのみ終わらしてくれれば良かったのだが、最後のカットで写真をとって遺影になっていくシーンを入れてしまったために、結局死をかなりストレートに伝える形になってしまった。

別に見ても時間の無駄にはならないし、アジアっぽいというか、むしろ勝ち気な韓国女性と男性の恋愛に関しては距離感のことも含め、うまく描けていたと思う。
ということで、一度、興味のある人は見てみてはいかがでしょうか?
by daisukeozaki | 2010-11-03 10:06 | 映画 | Comments(0)