『独り居の日記』 メイ・サートン
2011年 03月 30日
それがメイ・サートンの独り居の日記。みすず書房から出版されている。
1960年代後半に自分の小説の中で同性愛を表白し、当時の時代背景もあり、大学の職を追われ、予定されいた本の出版も中止に。また、愛の関係の降下と父親の死の直後で失意のどん底にある中、片田舎で自分の内部をひたすら見つめるために生活を始める。この本はそのときの日記である。
フェミニズムと藝術至上主義っぽいところはあるが、かなりウムウムと共感する箇所があった。
「完全に自発的な生活の持つ地獄と、自分が部分的にだけ参画していると感じる生活の地獄と、いったいどちらがいっそう悪いのか、私は判断に苦しみます。」
この他にもハンフリー・トレヴェリヤンのゲーテについての引用や「私の信条をいえば、真摯な作家ならば、自己自身を体験の道具をみるということである。」など。
モーリス・ブランショの文学空間も昔お勧めしたが、こっちの方が読みやすいし、興味のある方は是非。