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写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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文字の出現

構造主義の原点とも言われるレヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」。
「世界は人間なしで始まったし、人間なしで終わるであろう」と人間中心主義の西洋哲学に警鐘をならしたこの本の中で、(結果、サルトルの実存主義とは対立するような形になる。)私が興味をもったのは文字が生まれることによって世界はどう変わったのかということ。

彼の説では文字の出現によって付随してくる社会現象として、都市と帝国の形成、つまり相当数の個人の一つの政治組織への統合と、それら個人のカーストや階級への位付けである。文字によって人間は隷属性をもってしまったということである。

法律は全て文字を基準にしており、これに私達は所謂“従属”を余儀なくされているわけであり、知的・美的満足としての文字の用途は二次的使用であって、文字は結局のところ人間をどれだけ大多数、効率よく従わせるかを可能にした道具である。

「悲しき熱帯」のなかでの、あるインディオの部族も長老は興味を示し、文字を覚えようとしているのに対して、本能的にそれに習うことに嫌悪感を示す原住民の描写も興味深かった。
by daisukeozaki | 2011-10-28 21:40 | Comments(0)