「もらっといてやる」の田中慎弥「共喰い」と円城塔「道化師の蝶」
2012年 02月 07日
田中慎弥「共喰い」、円城塔「道化師の蝶」共に読了。
僕的にどっちが好きかと言うと、「共食い」。
それぞれの感想はというと、
「共食い」は会話文がちょっと癖があって、読みにくかったが、陰鬱な感じの情景描写が良かった。読み終わった感じは、中上健次に似てるなーと思った。これを書くとネタばれっぽくなるけど、「枯木灘」に近かった。
ただ、高校時代に土方のバイトをしていたので、「枯木灘」の中の描写で、自然の中で働いている時に無我になる感じとかは凄く親近感がわいたので、中上健次の方が好きだけど、「共食い」は読む価値も全然あります。
「道化師の蝶」は前衛的な話で、“小説?”と思ってしまう人もいるかも。書き言葉、エクリチュールに関しての話だが、言葉の話といえば、ボルヘスとか芥川賞だと諏訪哲史「アサッテの人」の方が僕は好きだった。新人作家とボルヘスを比べるのは酷だけど。
話の中にも出てくるけど、結局、蝶は捕らえられないのであって、この話自体の核も最終的に捉えられない感じがした。
最近の芥川賞作家だと、やっぱり朝吹真理子の「流跡」読んだときが一番印象に残ったかも。芥川受賞作の「きことわ」はそんなにだったけど。

「共喰い」 田中慎弥(著)、集英社(出版社) 1000円(税別)
「道化師の蝶」 円城塔(著)、講談社(出版社) 1300円(税別)
僕的にどっちが好きかと言うと、「共食い」。
それぞれの感想はというと、
「共食い」は会話文がちょっと癖があって、読みにくかったが、陰鬱な感じの情景描写が良かった。読み終わった感じは、中上健次に似てるなーと思った。これを書くとネタばれっぽくなるけど、「枯木灘」に近かった。
ただ、高校時代に土方のバイトをしていたので、「枯木灘」の中の描写で、自然の中で働いている時に無我になる感じとかは凄く親近感がわいたので、中上健次の方が好きだけど、「共食い」は読む価値も全然あります。
「道化師の蝶」は前衛的な話で、“小説?”と思ってしまう人もいるかも。書き言葉、エクリチュールに関しての話だが、言葉の話といえば、ボルヘスとか芥川賞だと諏訪哲史「アサッテの人」の方が僕は好きだった。新人作家とボルヘスを比べるのは酷だけど。
話の中にも出てくるけど、結局、蝶は捕らえられないのであって、この話自体の核も最終的に捉えられない感じがした。
最近の芥川賞作家だと、やっぱり朝吹真理子の「流跡」読んだときが一番印象に残ったかも。芥川受賞作の「きことわ」はそんなにだったけど。

「共喰い」 田中慎弥(著)、集英社(出版社) 1000円(税別)
「道化師の蝶」 円城塔(著)、講談社(出版社) 1300円(税別)
by daisukeozaki
| 2012-02-07 23:33
| 本
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