映画批評 「ヘルタースケルター」 蜷川実花監督
2012年 07月 17日
映画のことを話す前にまず、蜷川実花の写真を私がどう思っているかというと、ストリートスナップの写真などは良い写真だと思う。ただ、演出した上で撮られた人の写真は何がいいのかまったくわからない。
「さくらん」も観ており、ひどい映画だなぁと思ったのを覚えている。
そんな先入観のもと観に行ったのだが、「ヘルタースケルター」もひどかった。
色々を難をあげればきりがないが、一番は人物が全く描けていなく、それに輪をかけたような蜷川ワールドでセットされた中での映画であるので、あまりにも非日常すぎて感情移入が全く出来なかった。
リアルにSEXやドラッグにハマっている人を見ているので、特にそう思う。話は変わるが、この前、漫画家の友人から、結構効く薬をやって3日間意識がなくなり、そのままの状態でずっと寝ているような状態だったため、床ずれみたいなことになり、顔の半分ぐらいが腐ってしまったという女性の話を聞いたばかりだ。なので沢尻エリカが演じているりりこはかなりなまぬるかった。たぶん、男だったら誰でも思うかも・・・。
一番悪いのは羽田役の寺島しのぶのキャラクター設定。寺島しのぶの演技自体はいいけど、まず35歳という設定に無理がある。映画中にも少し笑ってしまった。一番はどうしてそこまで沢尻エリカが演じるりりこに服従せざるおえないのかが全く分からない。それなのに、最後の方で、ネタばれになるのであまり詳しくは書かないけど、りりこに復讐するようなことをするのかそこまでの気持ちの変化はなんだったのかさっぱりわからなかった。
他にも大森南朋が演じる検事の麻田も意味がよくわからなかった。
音楽の使い方もその他細かいところで気になる所も多々あるが、特に気になったのが寺島しのぶの羽田だった。羽田の濡れ場シーンも結構あるのに、全く脱がなかった寺島しのぶを見ると、「キャタピラー」であれだけ体当たり演技をしてただけに、この映画にかける役者人の意気込みの程が伺える。
映画によく人気があっても、すぐに人は忘れてしまうということが繰り返され出てきて、大森南朋が最後の方の台詞で「15分で忘れる」みたいなことを言っているが、そっくりそのままこの映画に当てはまる気が・・・・。
おそらく今年のワースト映画っす。