映画批評『ダイークナイト ライジング』 クリストファー・ノーラン監督
2012年 08月 03日
ただ、クリストファー・ノーランのバットマンシリーズの最大の問題点は幸か不幸か「ダークナイト」のキース・レージャーが演じるジョーカーの印象が強すぎるということ。
一緒に行った人がかなり的を得たこの映画の問題点を言っていたので、羅列すると、
・全作を見ていないとつながりがいまいち分からないところがある。
・ バットマンがどうやって脱出した後、ゴッサムシティに入ったのかが分からない。
・ ネタばれを含みます。日本人なら今のフクシマの状況を考えるならば、最後あの状態で終わってゴッサムシティは大丈夫と言えるのか。
・ 一番は敵のベインがいまいち何をやりたいのかわからなかった。
全てはベインの動機というかこの人は強いけど、何をやりたかったのかなぁと思ってしまうことである。それでどうしても「ダークナイト」のジョーカーと比較してしまう。ジョーカー自体が狂人であるから、何をやった場合も私達の論理を超えていていいわけである。「雨が降っているから、今日は銃殺やろう」でいいわけである。今回のベインが逆に論理で話を展開していく部分があるので、どうしても場面設定上でつじつまの合わないところが目立ってしまう。
おもしろい映画だと思うし、全然楽しめる。
ただ、映画評論家の町山さんの言葉を借りるならば、私にとっては
ものすごく期待して食べに行ったレストランの料理がそれほどでもなかった時、人は「まあまあだったよ」と良いところ探して自分を納得させようとするけど、2度は食べに行かないよね
という感じの映画でした。