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写真家・尾崎大輔のblog


by daisukeozaki
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最近読んだ本の感想(「自由からの逃走」エーリッヒ・フロム)

基本、この本の大意は「カラマーゾフの兄弟」の途中にあるかの有名な「大審問官」の章と同じ。
人間は無意識のうちに服従を求めるということ。そのため、神が存在し、また運命を信じることを希求してしまう。
現代では服従すべき対象が資本主義という社会になり、私達はその鋳型にはめ込まれたうえでの‘自己’となっているというのである。仕事の面接などでの自己PRが良い例であろう。自分達を商品としてどこまで売り込むかが問題となるのである。このあたりはドゥルーズと似ている。

ただ、私としては特に目新しいと思う考えに出会うことはこの本の中ではなかった。

著者自体、ナチスに追われる身となっているため、ナチスの生成構造を分析しているが、まぁおおまかではそう思うが、そこまで深く共感出来るというものでもなかった。根源的要素にサディズム、マゾヒズムをおいているが、全てにそれが当てはまるのか首を傾げる箇所も結構あったような。視点をしてはおもしろいのはおもしろいのだが。
プラス、自由というものの定義がいまいちピンと来なかった。何をもって自由と定義していいものか。

とりあえず、同じ著者の「悪について」も購入しているので今読んでいる本が終われば読む予定。


最近読んだ本の感想(「自由からの逃走」エーリッヒ・フロム)_d0170694_23202635.jpg

・新装版が出ていて、写真は前の装丁のものです。
by daisukeozaki | 2012-09-28 23:21 | | Comments(0)