「黄金の少年、エメラルドの少女」 イーユン・リー
2013年 03月 20日
「黄金の少年、エメラルドの少女」 イーユン・リー
素晴らしい短編集。
前作の短編集「千年の祈り」にあった中国、もしくは文化大革命などの私達個人がどうしようもできない大きなうねりの中で生きていく人間達を描いていた。
今回の「黄金の少年、エメラルドの少女」ではそういった大きな潮流の中で生きていく人間描写ではないが、何か少し非日常的なことが起き、それによって現実を見つめ直す人間が描かれている。そして、その非日常は誰にでも起こりうるようなものばかり。
娘を失い、年齢からも新しい子どもをあきらめていた夫婦が中国で代理母をお金で雇い、子どもを作ろうとする「獄」、兵役の中で自分の今までの人生と周囲の人間関係を見つめていく「優しさ」など全9編を収録。
彼女がある小説家を評してインタビューでこのように答えている。
「人は他者のことを想像できなくてはいけません。作家だけではありません。読者にとって、人間にとって他者を想像出来ることは重要です。・・・・彼は書いて何かを訴えているわけではありません。観察者なのです。・・・・ただ人間にとても興味があるだけです。私も同じように興味があり、同じように人間性の持つ謎に関心があります。だからこそ小説を書くのです」
こりゃ、僕が好きになるっすわ。
現代版チェーホフ!!素晴らしい!!

素晴らしい短編集。
前作の短編集「千年の祈り」にあった中国、もしくは文化大革命などの私達個人がどうしようもできない大きなうねりの中で生きていく人間達を描いていた。
今回の「黄金の少年、エメラルドの少女」ではそういった大きな潮流の中で生きていく人間描写ではないが、何か少し非日常的なことが起き、それによって現実を見つめ直す人間が描かれている。そして、その非日常は誰にでも起こりうるようなものばかり。
娘を失い、年齢からも新しい子どもをあきらめていた夫婦が中国で代理母をお金で雇い、子どもを作ろうとする「獄」、兵役の中で自分の今までの人生と周囲の人間関係を見つめていく「優しさ」など全9編を収録。
彼女がある小説家を評してインタビューでこのように答えている。
「人は他者のことを想像できなくてはいけません。作家だけではありません。読者にとって、人間にとって他者を想像出来ることは重要です。・・・・彼は書いて何かを訴えているわけではありません。観察者なのです。・・・・ただ人間にとても興味があるだけです。私も同じように興味があり、同じように人間性の持つ謎に関心があります。だからこそ小説を書くのです」
こりゃ、僕が好きになるっすわ。
現代版チェーホフ!!素晴らしい!!

by daisukeozaki
| 2013-03-20 19:16
| 本
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