ソフィ・カル 「最後のとき/最初のとき」 原美術館
2013年 04月 17日
視覚障害者の方に写真を教えているが、全ての始まりはソフィ・カルの盲目の人々という作品を見たのがきっかけだった。「あなたにとって美とは何ですか?」と生まれてから目の見えない先天的盲人に質問し、答えを写真に撮るという作品だ。
今回の展示は1階はある先天的盲人の人が最も美しいと答えた「海」を今まで海を見たことがない人が見るという映像作品。
2階は中途失明者を中心に覚えている最後に見たもの、目が見えていた頃の最後の記憶を説明してもらうという作品。
前回の写真教室で中途失明の方の夢の話をして頂いたが、彼は自分が失明するまでの記憶は映像として夢の中に現れてきて、失明後の記憶は全て音声のみの所謂ラジオのような夢になると言っていた。さらに質問をして、イメージとして残っているものの中で夢の中に出てくるのは良いイメージのものが多いのか、それとも悪いイメージのものが多いのかという質問には悪いイメージのものの方が出てくることは多いということだった。先天的盲人の方で夢は全てラジオのように聞こえると言っていた方も同じく悪いイメージの方が多いということだった。
今回の作品も最後に見たものはという質問にもよるのだが、自分が視力を失った時の事故や事件などの良きイメージでないものが多かった。
そんな中一番印象に残ったのは「盲目の人とソファ」という作品。
是非是非、時間のある方は行って自分の目で見て下さいませ。
唯一のダメな所は視覚障害者用の点字の資料が全くなかったこと。
もしあるならば、私の友人・知人の視覚障害者の人と一緒に行ってみて、どういう感想を持つのか聞いてみたかった。