最近会う人達に「尾崎さん、仕事とは別に作品としての写真撮ってるんですか?」とよく聞かれるんですが、一応、視覚障害のある方の写真に関連する活動以外にもコツコツと撮らせてもらってます。
今撮っているのは、とあるホスピスの入居者さん達やそれに関連する人たちのポートレートを撮影しています。
ホスピスなので当たり前ですが、ほとんどの人が余命宣告をされている人たちで、しかもちょっと変わったホスピスで身寄りのない人や中にはホームレスをやっていた人などが入居されているホスピスです。
いつも通り撮影するまで数ヶ月かかっていて、去年から撮影を始めたのですが、みなさんにお見せできるまでに数年ぐらいかかってしまうと思います。
という感じなので、一応、きちんと写真家活動を今年もやっていますというご報告まで。
当たり前ですが、本当に色々考えます。
あと、写真はこうもいろんなことを写してくれないものなんだとも。
そのうちに発表できると思いますので、気長にお待ちください。
写真はデジカメで撮ったOFFショットで、無縁仏になった人のお骨が収められている礼拝堂のキリスト像の写真。

もし盲導犬ユーザーさん達の何か会を主催されることがあるならば、簡単なノウハウはありますので、気軽にご相談ください!!
誰でも参加できる次回の写真教室は4月を予定しています。

ただ、そういった面倒くさい個人間のやりとりがこの視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室の楽しみでもあり、何かしら写真の本質みたいなものに関わっている事のようにも思います。
まだ参加されたことがない方も気軽に参加できる教室ですので、一度参加してみてください。次回は来年の春を予定しています。
写真は参加者が撮影した渋沢栄一の記念館です。

また神様のいる人といない人によっても世界への信頼の仕方が違ってくると思います。こう書いてしまうとこの写真教室に何回も参加する方には誰かわかってしまいますが、仲の良い全盲の方がキリスト教(カトリック)を信仰されているので、お酒の席で「神様は見ることができるんですか?写真に撮ることはできるんですか?」などとつっかかってしまったことがあります。「そういうんじゃないんだよ〜」とその時言われましたが、何をどこまで信仰するかによっても世界の捉え方は変わってきます。
まとまりのない報告・感想になってしまいましたが、参加された方たちが何かの答えではなく、大きな疑問を持っていただける会になっていれば幸いです。

視覚障害のある当事者の方だけでも20名ほどご参加いただき、福島や大阪など遠くからお越しの方もおり、本当に皆様が色々とご紹介いただいくおかげで広がっていっているのを実感しています。
今回の写真教室である方がこんな話をしてくれました。書いても大丈夫ですと言われたので、ここで書かせていただきます。
吉祥寺の井之頭公園では桜は完全に散っている多くの参加者が桜を撮っていました。その中である一人の参加者は桜に関して複雑な思いがあることを知りました。
私を含め、撮影のサポーターたちは綺麗な桜を説明しますが、その方は桜に対してセンチメンタルな思いがありました。それは目が見える最後に見た風景が垂れ桜だったからです。
当時、娘さんと一緒に一泊二日の予定で、自転車で病院に行き、そこで入院し手術をしたのですが、それが結局は1年半の入院となり、二度と自転車に乗れる事がなかったとのことです。その時に最後に見てイメージとして残っているのが桜のイメージなのです。
写真家、ダイアン・アーバスは先生でもあるリゼット・モデルから「自分が恐るものを撮りなさい」と言われました。また、ソフィ・カルも最後の風景という作品で視覚障害のある方が最後に見た風景を聞く作品を作っています。
もしカメラマンの自分が失明し、その後、最後に見たイメージに対してレンズを向けることはできるのだろうかと逡巡しました。もちろん、この方もその後色々紆余曲折をへて、今にいたり桜を撮影したのですが、それはこの撮影者の人間的強さの表れでもあります。
イメージを伝えるということがどういうことか考えさせられた今回の写真教室でした。
写真はその方が撮影した湖面に桜が散っている写真です。後ろには噴水も写っている縦写真です。

御好評頂いている視覚障害者と一緒に楽しむ写真教室を4月に開催致します。視覚障害者 の方だけではなく、様々な方に参加していただきたいので一般の方も参加頂ける写真教室となっています。健常者の方はアイマスクを着用し、仮想視覚障害者を 体験してもらいながら写真撮影、食事を行ってもらう予定です。また、視覚障害者の方で触ることの出来る凹凸の立体写真にしてほしいという写真がありましたら、ご持参頂き、可能な限り当日に凹凸の立体写真にお渡しすることもやらせて頂きます。(1枚目無料、2枚目以降追加料金500円)世の中を様々な視点で 見ることがどれだけ興味深いことか体験できる1日になることを期待しています。参加者には当日撮影した写真の数枚を凹凸の立体写真にして差し上げます。ご 興味などございましたら、お気軽にご連絡下さい。
日時:4月10日(日) 10:00〜16:00 (雨天決行)
集合場所::JR吉祥寺駅南口改札(公園口)前に9:45集合。井の頭公園にて撮影後、講評会。
参加定員:最大25名
参加費:2000円(交通費、昼食代、写真現像代などは個人でご負担をお願い致します。介助者の方の参加費は無料です。)
募集締め切り:4月8日
講師:尾崎大輔(http://www.daisukeozaki.com/)
追記:カメラは各自ご持参下さい。お持ちでない方はニコンのカメラを10台まではお貸し出来ますので、その有無をお教え下さい。お申し込みの際、必ず介助者の方が同伴するかもお教え下さい。いらっしゃらない場合はこちらで手配致します。健常者の方はよろしければ、視覚障害者の仮想体験をしてもらうので二人のペアで参加していただければ幸いです。一人の場合は当日、どなたかとペアになって頂きます。
主催:日本視覚障害者芸術文化協会(http://artforthelight.com/)
申込先:080-6507-7746(尾崎携帯) もしくは info@daisukeozaki.com
参加費:2000円(交通費、昼食代、写真現像代などは個人でご負担をお願い致します。介助者の方の参加費は無料です。)